介護士こーにゃー 嫁はデブ

仙台に移住して子供が産まれました

超高齢化社会なのに倒産する介護施設。介護業界が抱える現状と課題。介護業界は仕事に困らないは嘘だよって話。

特養介護士のこーにゃーです。

 

高齢化社会の日本。2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になります。

3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という状況が発生するのです。

 

これは2025年問題と呼ばれ、介護の人材が34万人不足すると言われています。

参照:第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について |報道発表資料|厚生労働省

 

しかし、それとは逆行して、現在介護施設の倒産が増加しているということが起こっています。

本日は現在介護業界が抱える現状と課題についてお伝えしていきます。

 

 

介護施設の倒産が増えている

2000年に介護保険法が制定されて以降、様々な民間企業が介護事業に参入し、次々に介護施設が建っていきました。

 

しかし、現在介護施設の倒産が相次いでいます。

2015年の倒産件数は64件だったのに対し、2016年は107件、2017年は115件と大幅に増加し、今後も増加していく傾向にあります。

 

私の身の回りでも、次々に介護施設が建設されています。

ここ一年で私の自宅から徒歩5分圏内に介護施設が2つ建ちました。

 

一方で、事業縮小や閉業する施設も身近にあります。

 

高齢化社会なのに介護倒産が増加する理由

人手不足

介護業界に関わらず、高齢化社会の中で様々な企業が人手不足に喘いでいます。

介護施設を建設すると当然人手が必要なわけです。

 

また、介護保険法で運営基準が示されており、ユニット毎に一定の職員数が必要になります。

 

しかし、必要な職員数を確保できず、ユニットが閉鎖してしまうということになります。

ユニットが閉鎖しても、運営にかかるランニングコストはかかるので、収益減となってしまい経営が厳しくなっていきます。

資格取得の難化

介護業界は2000年に介護保険法ができてからまだ18年しか経っていません。

介護保険法は3年に一度改正され、その都度働いている環境も変化していきます。

 

特に、介護の資格取得は年々大変になってきています。

 

介護福祉士は実務経験が3年あれば受験資格を満たすことが出来ました。

しかし平成29年度からは実務経験3年に加え、“実務者研修の受講”or“介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修”が必須になりました。

 

介護福祉士の受験資格についてはこちらから

[介護福祉士国家試験]受験資格(資格取得ルート図):公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

 

また、ケアマネージャーの受験資格に関しても、これまで国家資格を持っていない方でも一定の要件を満たせば、受験することが出来ました。

 

しかし2018年度から、定められた国家資格を持っていないと受験することが出来なくなりました。

 

ケアマネージャーは幅広い専門知識が必要であり、福祉職員として成熟した人間でなければなりません。国家資格取得の難化は致し方ない面もありますが、施設としては人員の確保が益々難しくなりました。

 

介護職員の質の低下

人手不足であり、運営基準を満たせなくなる恐れが出てくると、面接に来る職員はほとんど採用するという状況が出来ています。

 

面接で人員を選別するということはほとんど行われていません。無資格だろうが未経験だろうが関係なく採用しています。

 

そうすると、当然介護現場に影響が出てきます。入居者様に対するサービスの質は低下し、指導する側の職員は疲弊します。

 

サービスの質が低下すると、当然顧客となる入居者様が来なくなります。この情報社会、一度評判が落ちると、あっという間に廃れていくのです。

 

介護施設の飽和と高齢者の奪い合い

私の住む仙台市には、毎年続々と介護施設がオープンしています。

 

一方で、空室も多く発生しています。

少子高齢化の昨今、確かに高齢者の数は増えていますが、全員が施設での暮らしを望んでいるわけではありません。

 

育った家で最期を迎えたい方、家族と一緒に暮らしたい方、誰にも世話されたくない方。

人の数だけ想いも様々です。

 

たとえ施設に入所を希望している高齢者がいたとしても、1人の高齢者にいくつもの施設から営業に来る状態です。

 

私の住む仙台市でも、空室率が10%を超える介護施設が多くあります。

空室率30%なんて施設もありました。もはや運営できる状態ではありません。

 

実際に、入所待ちの高齢者で溢れているのは東京だけです。

特養入所待ち4万3000人。介護施設が足りないと言われるのは東京だけです。

(東京も問題は山積していますが・・・)

 

地方では高齢者の奪い合いが起こっています。どこの施設も必死です。

 

介護業界の今後

2025年に後期高齢者数がピークに達しますが、このペースで介護施設が設立していくと、介護施設の倒産数は今後も増加していくことが予想されます。

 

今後の介護業界は、法人同士の吸収が起きてくると思われます。一法人一施設しか運営していないような法人は、リスクの分散が出来ず他法人に吸収される時代が来ます。

 

介護事業に限らず、保育や障害等の福祉事業を行っている法人がリスクを回避し運営を続けていく一方、吸収や倒産などで淘汰されていく施設が発生します。

 

介護施設を建てても高齢者がいない、職員も集まらない。人の奪い合いはますます激化します。

行政には本当にその介護施設が必要なのか、実態調査をしっかりと行ってほしいものです。 

淘汰されない介護施設になる為に

今働いている職場が、来年には無くなってしまう。

これは他人ごとではないです。

 

そうならないために、介護士がやるべきことは単純明快です。

やるべきことをやる。

 

この情報社会、ちょっとしたことでイメージは低下します。

SNSで施設の悪口をちょっと言っただけでも、介護施設が特定されてしまえばイメージは下がります。

 

居酒屋で入居者様の悪口を介護士が話していたのを、たまたま近くにいた入居者様の家族が聞いていて、苦情が入り、地域に広まる。これは実際にあった話です。

 

介護施設が飽和している中で、印象の悪い施設を誰が利用したいと思うでしょうか。

個人情報を漏らしてしまうような行為はしてはいけないのは当然です。

 

実際に、介護施設に評価を付けているサイトもあります。信憑性は定かではありませんが、それをみた方はどう思うでしょうか。

 

淘汰されず選ばれる施設になる為には、日々介護に真摯に向き合うこと。たった一人でも間違った行為をしてしまえば、それでおしまいなんです。

 

おわりに

施設で働く職員の目線で現状を書きました。

一番忘れてはいけないのは、介護施設が倒産して一番困るのは残された高齢者の方々です。

 

居場所を失い、社会資源を奪われた高齢者を、倒産した側は助けてあげることが出来ません。

 

私の職場が倒産しないよう、日々仕事に取り組む毎日です。